総展望
今年も静岡市の花『たちあおい』にちなんだ、たちあおい賞争奪戦GⅢがいよいよやって来ます。一年で最も寒い時期に静岡市から見える富士山は絶景そのものです。毎年、番組内でも綺麗な富士山をご紹介していますが、是非静岡市にお越しいただいて日本一の富士山もご観賞ください。今開催は全国8地区から豪華メンバーが参戦します。まずSS級4名からご紹介します。
神奈川の郡司浩平選手が昨年に引き続き参加します。9月の共同通信社杯GⅡ(名古屋)で完全優勝、11月の小倉競輪祭GⅠでは過酷な5回走りをオール連対で準優勝、年末の平塚競輪場で行われたケイリングランプリは4年連続出場と今や南関地区の総大将と言っても過言ではありません。競輪界No.1の自在選手の広島の松浦悠士選手の出来も抜群です。12月の地元広島記念を優勝して乗り込んだ平塚グランプリ。単騎での戦いの中で北日本4車を分断に行ったレース内容は強烈な爪痕を残しました。昨年の賞金ランキング第3位、5年連続S級S班の最上級の走りを披露してくれるでしょう。
北日本地区からは秋田の守澤太志選手と青森の新山響平選手の2名です。昨年の守澤選手は、GⅠで3度の表彰台、賞金ランキング6位で2年連続グランプリ出場とSS班として相応しい走りを見せてくれました。圧巻だったのは10月の寬仁親王牌の決勝戦で、前を走る新田祐大選手(内伸びて優勝)と小松崎大地選手が内に詰まったところを最終バック9番手から自ら捲って2着に入ったレースでは、タイトルをいつ獲ってもおかしくない脚力を披露しました。今年は是非GⅠ初タイトルを獲って欲しいと個人的に応援しています。
続いて新山選手です。デビュー当時から果敢に風を切るスタイルを貫いています。昨年10月、3年近く在籍したナショナルチームを引退して、今後は暖かい環境の伊豆に拠点をおき競輪一本に集中してトレーニングして行くそうです。ナショナルチームで培ったパワーとスピードは誰もが脅威に感じるはずです。今年は勝つ事の使命感を与えられたSS選手として大きく飛躍する年になるでしょう。
北日本地区のSS班の2人を筆頭に福島の成田和也選手にも期待します。前を走る先行選手を守る横の捌き、後方から伸びてくるコース取りの上手さは正に職人技の域。時にはラインの4番手を固める義理人情マーカーだけにオールドファンからの支持は相当なものです。
次に関東地区は吉田拓矢選手が中心です。先行基本に器用に立ち回る自在戦も身に付け昨年は3度の記念競輪優勝を飾るなど間違いなく優勝候補の一人でしょう。今年はSS班の座を明け渡しましたが再度狙いに行くはずです。
南関地区は地元勢の頑張りに期待します。地元エース深谷知広選手は静岡に移籍して2年が経ち、同県の若手のリーダー的な存在でもあり南関全体のレベルアップにも貢献しています。郡司浩平選手に加え同県の渡邉雄太選手や大石剣士選手、千葉の野口裕史選手との連携で地元優勝を狙います。
近畿地区は強気な攻めが心情の福井の野原雅也選手の動きに警戒です。12月の伊東温泉競輪の記念競輪では4日間縦横無尽な攻めで優勝しました。自力に加え、横の捌きもあるだけに4日間目が離せません。
中国地区は昨年地元防府記念5連覇の偉業を成し遂げた山口の清水裕友選手に期待します。昨年はグランプリ出場にあと一歩のところで涙を飲みました。2018年の静岡グランプリでは、脇本選手先頭の近畿4車に一人で戦いを挑んでいった姿に、場内のファンの皆様からレース後に清水選手を称える拍手がたくさん起こりました。再度富士山バンクで感動の走りを見せて欲しいです。
最後に九州地区から急成長している佐賀の山田庸平選手の活躍に期待します。昨年は6月の高松宮記念杯で準優勝、7月の佐世保記念優勝、そして最後までグランプリ出場の賞金争いに加わるなどトップ選手の仲間入りを果たしました。熊本の瓜生崇智選手と松岡辰泰選手との連携で勝機を見いだすでしょう。